赤城毅:虎落笛鳴りやまず(帝都探偵物語) [小説系]
帝都探偵物語シリーズ初の、倒叙形式(コロンボ・スタイル)で書かれた作品です。
コロンボ・スタイルと言われても若い人はわからないのかなぁ〜w
新しめで分かりやすいのは、古畑任三郎シリーズですかね。
初めに、物語の核心的な部分が描かれたあとに、解決編が続いていくって感じ。
なので、今作は主人公である木暮十三郎が出てくるのは、中盤近くになってます。
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昭和二年秋、帝都・東京——。
シベリア出兵で殲滅された部隊から、命からがらただ一人生還した陸軍少尉・天城誠。
だが、「生きていた英霊」を待っていたのは、陸軍からの酷い仕打ちだった。
天城が危機をくぐり抜けていくのと時を同じくして、
シベリア出兵に携わった幹部将校が相次いで殺害される。
現場の状況から、彼らは「虎」に襲われたものと推測されたが・・・?
私立探偵・木暮十三郎が、人外の「虎」の凶行に肉薄する!
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相変わらず面白いです。
まず、帝都探偵シリーズの何がいいって、世界観が素晴らしいうえに、
登場人物達のキャラクター性がとてもいい。
主人公の木暮が、とぼけていそうに見えるのにすごく切り込みは鋭くて、
そのギャップ感もたまりません。
あとは、昭和初期を舞台にしているので、その情景や文化・流行などの描画も
うまいこと融合されていて、その風景を頭の中に描きながら読めるのもいいですね。
魔物・怪物と呼ばれるような存在を中心としているストーリなのに、
人物背景や時代背景の描かれかたが素晴らしいシリーズです。
赤城毅:Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/赤城毅
有限会社らいとすたっふ
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